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資源処理エンジニアリング事業部
 技術紹介
未燃カーボン分離技術
石油コークスの燃焼灰には、通常、燃料として利用可能な未燃カーボンが90%程残っています。しかし、残りの灰分(無機物)にはバナジウムやクロムなどの重金属が多く含まれており、ボイラや配管の腐食の原因となるため、燃焼灰をそのまま燃料として再利用することは困難です。そのため、現在では、燃焼灰は廃棄物として処分されることも少なくありません。
当社は、そのような石油コークスの燃焼灰の処理方法として、「湿式造粒法による未燃カーボンの分離」をご提案致します。未燃カーボンと灰分に分離することにより、未燃カーボンはボイラの燃料として有効利用できるようになります。また、残った灰分にはバナジウム等の希少金属が濃縮されるため、灰分を単に廃棄処分するのではなく、希少金属のリサイクル原料として再利用することができます。このように、未燃カーボンと灰分に分離することで燃焼灰の資源としての有効利用が可能となり、燃焼灰に起因する廃棄物の発生量の大幅な低減にも繋がります。
湿式造粒法とは
湿式造粒法は、粉体を懸濁させた液中にバインダー(その液体に不溶な別の液体)を添加し、機械的な撹拌により粉体を凝集・圧密させ、ペレットを生成する転動造粒技術です。バインダ―に濡れやすい粒子のみを選択的に造粒することができます。
湿式造粒機 未燃カーボン分離装置 水中造粒
造粒機
湿式造粒による未燃カーボンの分離
当社の未燃カーボン分離技術は、懸濁液に水、バインダに重油を用いた水中造粒法を利用しています。
石油コークス燃焼灰の水スラリーに重油をバインダとして添加し撹拌すると、バインダに対して親和性の高い未燃カーボン(疎水性)が選択的に凝集・圧密され、一定サイズの造粒体に成長します。一方、親和性が低い灰分(親水性)は造粒されずに燃焼灰中のサイズのままで水中に分散します。これらを分級し、篩い上を脱水することにより、未燃カーボンがペレットとして回収されます。灰分は篩い下に廃水として取り出され、その濃縮・脱水により灰分ケーキが回収されます。
このように、当社の分離技術は、水中造粒法の選択性を利用して石油コークスの燃焼灰を未燃カーボンと灰分に分離する技術です。
カーボンペレット
(粒子径:1.5~2mm)
灰分
(ケーキ)

技術適用の効果
●ボイラ燃料として再利用可能
回収されたカーボンペレットは、未燃カーボンとバインダである重油で構成されるため、高カロリーの燃料として再利用できます。
●廃棄物の大幅減容
燃焼灰に90%程含まれる未燃カーボンを燃料として再利用することで、廃棄物量の大幅な低減に繋がります。
●バナジウム等の希少金属の濃縮
燃焼灰に含まれるバナジウム等の希少金属は灰分へ濃縮されるため、灰分を希少金属のリサイクル原料として再利用することも可能です。

未燃カーボン分離プラントのフローチャート
未燃カーボン分離プラントを導入することで、ボイラ設置事業所内での石油コークス燃焼灰の循環利用が可能になります。分離・再利用プロセスの一例を以下に示します。
  1. 原液タンクで調製された石油コークス燃焼灰の水スラリーとバインダがそれぞれ造粒機へ供給されます。
  2. 燃焼灰中の未燃カーボンは、造粒機の撹拌転動作用のもと、バインダにより選択的に凝集・圧密され、造粒体に成長します。一方、バインダに対して親和性の低い灰分は水中に分散したままです。
  3. 造粒体と水スラリーを併せて抜き出し、振動フルイで分級することで、造粒体が篩い上、灰分を含む水スラリー(廃水)が篩い下として分離されます。
  4. 篩い上として回収されたカーボンペレット(二次燃料)は、石油コークス(一次燃料)への添加・粉砕プロセスを経てボイラの燃焼として再利用されます。
  5. 篩い下として排出した廃水は、濃縮・脱水により灰分ケーキとして回収され、外部業者で希少金属の原料として適正に処理されます。



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